サイゼリヤが「値上げしません」宣言
値上げしません。サイゼリヤの松谷秀治社長は12日の記者会見で、こう宣言した。イタリア料理チェーンを国内外で計約1500店出している同社は、足元の原材料高に反してメニューの値上げをしていない。価格の手頃さを売りに消費者をひきつける戦略を維持する方針だ。
9月1日に社長に就任した松谷氏は、会見の冒頭、「一番に言わなければいけないのは、値上げをしないということだ」と切り出した。
ロシアによるウクライナ侵攻や急速な円安の進行のために輸入小麦などの食料品価格は値上がりが止まらずにいる。原材料に占める輸入品の割合が多い同社では、円安が1円進むと月あたり1千万円ほど経費が増える計算だという。
ただ、松谷氏は「給料が物価(上昇)に追いついていない。暮らしが厳しい中、安くて良いものを出す使命がある」。約500店に増えた海外店舗では、円安による増益効果が見込めるとして、メニューの価格は今後も据え置く考えを強調した。
この日発表した2022年8月期決算は、売上高が前年比14.0%増の1442億円、純利益が同3.2倍の56億円となり、増収増益だった。